平成27年10月29日(木)に、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)&SCSK㈱共同企画FD・SDワークショップ「アクティブ・ラーニングのコツを学び、活用しよう Part2―アクティブ・ラーニング教室及びタブレット機器を中心に―」を、学内外の教職員と学内学生の合同にてアクティブ・ラーニング教室(共通教育棟15番教室)を活用して開催された。本ワークショップは、定員を大幅に超える49名(学内教職員:22名、学生:9名、学外教職員等:18名)の参加者を集めて、林 大学教育センター准教授の総合司会のもと熱気に溢れるワークショップとなった。

 冒頭、朝日 孝尚 大学教育センター長より開会の挨拶があり、本ワークショップを機会として、アクティブ・ラーニング教室の利用拡大とICTを活用したアクティブ・ラーニング促進への期待が述べられた。

 第一部では、鷹岡 亮 教育学部 教授より「初等中等教育におけるタブレット端末の活用実践経験から」と題して事例報告が行われた。事例報告では、報告のまとめ(30秒で話すためのまとめ)を参加者が作成するという課題を提示することからはじめられ、最初の段階からアクティブ・ラーニングを意識した報告となった。このまとめ作成には、情報を構造化することにより、ただ聞くのではなくアクティブに聞くことで知識のよりよい定着をねらいとしている。本事例報告では、タブレット機器ならではの特徴としてデータの保存や他者との共有、また、他者間との比較が容易にできることであると述べられた。また、タブレットを活かした授業実践としてのビデオ撮影について、実際に撮影された動画を通した紹介があり、動画を用いた振り返りや指導・アドバイスについて述べられた。最後に学生参加者より本報告のまとめが発表されアクティブ・ラーニングの実践をみることができた。

 続いて、岩居 弘樹 大阪大学 全学教育推進機構 教授より、「タブレット端末を活用したアクティブ・ラーニング~外国語科目における実践事例を通して~」と題して事例報告が行われた。冒頭から参加者とのインタラクティブなやり取りがあり、非常にアクティブな学びの場となった。本事例報告で紹介された授業実践のポイントはビデオ撮影であり、タブレット端末を用いた動画を活用したアクティブ・ラーニングであると強調された。岩居 教授が担当される授業(ドイツ語)の流れは、①発音練習、②対話練習、シナリオ作成、③ビデオ撮影、④レビューのサイクルを回すかたちになっており、すべての場面でタブレット端末が活用されている。特に、シナリオを作成してドイツ語会話の実演をビデオ撮影する動画活用については、非常に高い教育効果が確認できており、ビデオ撮影の2ヵ月後でも学生たちは当時の会話をほぼ再現することができることが報告された。事例報告後の質疑応答でも活発な議論がなされ、このドイツ語の授業では、単にドイツ語を修得するだけではなく、Learn how to learn(学び方を学ぶ)ということを授業目標にしていることが述べられた。

 第二部では、SCSK㈱河内 氏によるデモンストレーション「タブレット端末を活用したアクティブ・ラーニングを体感しよう!」が行われた。本学が導入している、Bee Danceを用いて、クリッカー機能(集計機能)、描画ツール(直接画面への書き込み)や文書作成など様々な機能の紹介が行われた。授業中における課題の提供・共有、そして提出をスムーズに行うことができ、タブレット端末の活用の幅がより大きくなることが述べられた。

 最後に、朝日 大学教育センター長より閉会の挨拶があり、本ワークショップでのアクティブ・ラーニング体験を通して、その教育効果の高さを実感していただいたのではないかという趣旨の話があり、これを踏まえて本学のアクティブ・ラーニング教室及びICTツールがさらに活用されるよう推進していく旨述べられた。