2016年3月7日(月)に、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)&IR室合同企画FD・SDワークショップ『教学マネジメント強化のためのIRとは―データ活用方策を理解し、実践に活かすために―』を学内から24名、学外から17名、合計41名を集めて、吉田キャンパス・総合図書館アカデミックフォレストにて開催した。本FD・SDワークショップは、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)と山口大学IR室との合同企画で、山口大学が採択された文部科学省・大学教育再生加速プログラム(AP)における教学マネジメント強化のための研修の一環として実施された。

冒頭、纐纈厚 理事・副学長(教育学生担当)より開会挨拶及び趣旨説明があり、近年、特に注目されているインスティテューショナル・リサーチ(IR)の重要性について述べられ、本取組が教学マネジメント強化のためのIRを機能させ、より良い学生の学びの創出につながることへの期待が寄せられた。

 第一部の基調講演では、鳥居朋子 立命館大学 教授より、「教育の質保証に向けた教学IRのチャレンジ」と題して講演があった。まず、山口大学における「リサーチのための問い」を立てることの必要性について述べられ、教育の質保証や学習成果への関心、日本における制度(質保証)および政策状況について説明があった。IR実践のための7つの指針と5つのステップ、また、海外でのIRの事例を紹介した後、立命館大学でのIR実践について説明された。

 次に、第二部(グループワーク)として、川那部隆司 立命館大学 准教授より、「データを活用するためのリサーチ・クエスチョンの作り方」と題して、ワークショップを行った。まず、点検と評価の違いについて述べられた後、リサーチ・クエスチョン(RQ)とクリニカルクエスチョン(CQ)について説明があった。グループワークでは、①テーマを選ぶ、②クリニカルクエスチョンを考え、共有する、③クリニカルクエスチョンをリサーチ・クエスチョンに作り変える、④必要なデータを考える、⑤仮説を立てる、以上の流れで行われた。最後に、各グループより全体に対して発表を行い、意見の共有を行った。教学系、経営系いずれのテーマにおいても、大学が直面する課題の解決のためのリサーチ・クエスチョンが作られていることが共有された。

 今後も積極的に教学マネジメント強化のためのIR研修を推進することで、身近な疑問を教育の質保証や大学改善につながるようなリサーチ・クエスチョンとして洗練化することができる人材の育成と、IR実践の展開が進められることが期待されている。

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