平成28年10月31日(月)に、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)FD・SDワークショップ『アクティブ・ラーニング授業開発ワークショップPart2 -サービスラーニングの授業設計と学修評価のポイントを学ぶ-』が、学内外から合計37名(学内21名(教職員19名、学生2名)、学外16名(教職員16名))の参加者を集めて、本学吉田キャンパス総合図書館アカデミックフォレストにて開催されました。なお、本ワークショップは山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)の一環として実施されています。

冒頭、福田 隆眞 山口大学理事・副学長(教育学生担当)より開会挨拶と趣旨説明がありました。サービスラーニングは大学や地域を取り巻く状況によってその内容が大きく異なることが予想されるため、本ワークショップの講演者2名の事例報告への期待感が述べられました。

第一部では2名の講演者より事例報告が行われました。まず山形大学 教育開発連携支援センター 橋爪 孝夫 講師より、「初年次教育におけるサービスラーニング~エリアキャンパスもがみ橋爪講師2.jpg10年の軌跡~」と題し

た報告がなされました。山形大学におけるサービスラーニングの定義と、山形大学と地域を取り巻く状況に関して詳細な説明がありました。それを踏まえて、山形大学と山形県北東部最上地域との連携のため設立された「エリアキャンパスもがみ」と、その中心的活動である山形大学基盤教育の正規科目「フィールドワーク 共生の森もがみ」の紹介がありました。当科目は、地域の「達人講師」の指導のもと、最上広域圏でのフィールドワークを通して山形や日本が直面する諸問題を考える内容となっています。その授業方法・評価の工夫や、地域連携実質化の工夫、学生の学びと成長、課題点などが詳しく説明されたため、多くの参加者にとって、自身の実践を相対化する好契機となりました。

次に、山口県立大学国際文化学部 安渓遊地教授より、「地域との信頼関係の上で学生は羽ばたき飛び立つ~阿武21年、徳地12年、富海5年の経験から~」と題した報告がなされました。山口県立大学における「地域が教科書・地元が先生」と捉えた地域共生授業の 紹介がありました。特に、受け入れ先の地域や地域住民との信頼関係や彼らの反応に関する情報が多く提示されました。そのため、参加者の多くは地域と連携するということが、学生ひいては大学にとってどのような意味を持つのかを考える機会となったようであり 、その後のグループワークでもそれらに関して白熱した議論が展開されました。安渓教授2.jpg

第二部のグループワークセッションでは、「サービスラーニングの授業設計と学修評価のポイントを学ぶ~フィールド学習の持続性と信頼性を得るためには~」と題してグループワークを行いました。参加者それぞれが抱いた講演者2名に対する授業設計や学修評価に関する疑問点や質問点をグループワークで整理し、それを両名から回答してもらうという形式をとりました。特に評価基準やその客観性、地域住民に評価されることの意義など、評価に関する質疑が多くみられました。整理した疑問点をその場で講演者から回答が得られるということもあり、参加者一同、満足度の高いグループワークとなりました。

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