2016年12月21日(水)に、山口大学・大学リーグやまぐちSDセミナー2016『意識変容・行動変容を目指した大学職員育成を考える』を、県内大学はもとより九州工業大学や帝京大学からの参加を含め、120名近くの参加者を集め、吉田キャンパスにて開催した。本セミナーは、山口大学、大学リーグやまぐちの共同主催、大学マネジメント研究会、大学行政管理学会中国・四国地区研究会の共催で、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)における教学マネジメント強化のための研修の一環として実施された。
 冒頭、岡 正朗 山口大学長より開会挨拶及び趣旨説明があり、SDセミナーの開催は4年目となるが、例年同様、大勢の参加者が集まり、所属大学を超えた大学職員同士の議論や情報交流に期待が寄せられた。
 第一部の基調講演&ショートトークでは、まず、塩田邦成 学校法人立命館 人事担当部長(株式会社クレオテック取締役)より、SD_pic1-1.jpg「立命館・大学アドミニストレーター養成プログラム 10年の歴史と実績」と題して講演があった。大学アドミニストレーター養成プログラムの中心である「政策立案演習」を2015年度から内容変更し、幹部養成という当初の目的から裾野を広げ、入職4~7年の職員全員の受講を義務付ける「政策立案トレーニング」を導入し、全体的な政策立案能力の底上げを図っていることが紹介された後、立命館における意思決定プロセスにおける、職員による政策立案の意味について説明があった。業務分析や担い手を整理し、専任の大学職員の役割を具体的に提示した点は、どの大学においても参照すべきモデルである。次に、市原岳洋 学校法人立命館 総合企画部国際連携課職員、宮原久実 立命館アジア太平洋大学学長室課長補佐より「立命館・大学アドミニストレーター養成プログラム受講経験を活かして」と題して話題提供があり、研修による政策立案の趣旨目的を明示した上で、現場での実践を通した成果を具体的に説明し、研修の効果と実践力の確かさが感じられた。
 第二部のグループワークセッションでは、林 透 大学教育センター准教授のファシリテーションにより、SD_pic2.jpg「クロス・ジェネレーション ‐政策課題を発見し・はぐくみ・かたちにするには‐」というテーマでグループワークを行った。世代や職階ごとに分かれたグループにおいて個人や同世代での職業意識・職業経験・モチベーションをリフレションした後、世代や職階が混ざり合ったグループにおいて自己実現とチーム協働のコンセプトや具体策について対話した。後半の全体発表では、知識創造モデルの4画面に基づきプレゼンが行われ、風通しのよい組織づくり、世代間や大学間のつながり、学生ファーストなどのキーワードとした発表があり、相互理解のための場づくりの大切さや大学職員の役割について改めて認識し合う機会となった。
 最後に、田中和広 山口大学理事・副学長より閉会挨拶があり、学内外の大学職員が交流する素晴らしい機会となり、今後もこのような場づくりを行っていくこととした。

SD_pic3-2.jpg