2018315日(木)、共育ワークショップ2018「みんなで教育(共育)について語ろう! ~大学と高等学校による授業協奏曲~」を本学共通教育棟(吉田キャンパス)にて開催し、学内外から90名(学内38名(教職員27名、大学生11名)、学外52名(教職員31名、大学生6名、高校生14名、高専生1名))が参加した。共育ワークショップは、大学教育センターが主催し、大学の教育(共育)について、学生、教職員が一緒になり、様々な観点から語りあい、考えてみるというもので、2013年度から始まり、今年で5年目となる。今回は、201412月公表の中央教育審議会答申『新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)』を受け、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革が進み、20163月『高大接続システム改革会議「最終報告」』のほか、学習指導要領が大きく変わろうとしている中で、生徒や学生の確かな学力を育成することを目的に、「主体的・対話的で深い学び」を促すアクティブ・ラーニングの視点による授業改善が学校種を超えた共通テーマとなっており、大学関係者と学校関係者が一緒になって、教育について考える場を提供した。なお、本ワークショップは、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)中間成果交流会として開催した。

 はじめに、岡 正朗 学長より開会挨拶があり、近年の高大接続改革の重要性に言及しながら、大学生や高校生を交えて授業のあり方等について対話する今回のワークショップへの期待が述べられた。

 1限目:基調講演では、認定NPO法人カタリバ代表理事 今村 久美 氏より「生徒・学生が輝く『学び』とは」と題して、今村氏自身の高校生時代や大学生時代の経験を紹介しながら、高校生と大学生のナナメの関係を活かした対話の場「カタリ場」を発案した経緯などを話し、現在の若者への期待や可能性についてメッセージを送った。山口県内で実施している「カタリ場」に関わっている山口県立大学生との本音トークや、「カタリ場」を受講した山口県立西京高等学校の高校生からの感想など、盛りだくさん内容が提供された。

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 2限目:大学×高等学校による模擬授業では、山口大学、徳山大学、山口県立西京高等学校、野田学園高等学校の教員から、それぞれ趣向を凝らしたアクティブ・ラーニング型授業が提供された。参加者は事前に希望した授業を各教室に分かれて受講した。山口大学 藤井 克彦准教授の模擬授業では、微生物バイオテクノロジーの学術的概念や現実社会での微生物の生態など、最先端の研究内容を学んだ。徳山大学 なかはら かぜ教授の模擬授業では、4コマ漫画を作図するというワークが課され、ストーリー展開を考えながら、自らの考えをイラスト化するという授業を体感した。山口県立西京高等学校 和田 将太 先生の模擬授業では、授業中は英語のみによるグループ対話・質疑応答に終始し、子供のときの自らの経験などを英語で表現する授業を体感した。野田学園高等学校 河本 順康 先生の模擬授業では、三角形の重心 ・内心・外心・垂心について、正三角形、二等辺三角形、直角三角形の3グループに分かれ、ジグソー法を活用した相互学習を体感した。

 3限目:ダイアログ・セッションでは、山口大学 大学教育機構 大学教育センター 林 透准教授のファシリテーションのもと、11グループ(1グループ56名)に分かれ、模擬授業を受けた感想や気づきを話し合いながら、「大学の授業への期待や要望」「高等学校の授業への期待や要望」についてリストアップした。最後に、「大学の授業への期待や要望」「高等学校の授業への期待や要望」のうち、最も大事だと思ったアイデアをスケッチブックに書き出し、全体発表を行った。各グループから 高校生または大学生が代表して積極的に発表する姿が印象的であった。「考える楽しみを感じられる授業」「将来やりたいことが見つかるような興味が持てる授業」「色々な価値観や意見が知りたい、柔軟に考えたい」「答えのない活動をする中で自分の考えを自由に共有できる空気づくりが大切」「アウトプットする機会が欲しい」「(生徒と教師が、)授業を一緒に作る」などの提案があり、今後の大学や高等学校の授業充実に役立てることとした。

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 最後に、福田 隆眞 副学長より閉会挨拶があり、今後もこのような大学と高等学校の交流の機会を作っていきたいとの言葉が述べられた。

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