新型コロナウイルス感染症のため、大学の授業は原則としてオンラインによる授業が主となっている。このため、全学の教職員を対象に、Zoomによる「オンラインランチョンFD」を企画した。この企画については、5月中旬に開催されたFDコーディネータ研修会において、学部のFDコーディネータから強い要望があり、教育・学生支援機構 教学マネジメント室が学部教員の協力を得て実現した。開催した6月12日(金)・17日(水)・19日(金)・24日(水)の4回ともに、多くの参加者があり、延べ237名の参加者を数えた。

 第1回・第2回は「【Part1】オンライン授業づくりに役立つ基礎知識」として、「遠隔講義ポータル」の紹介のほか、共通教育・専門教育での実践事例を通して、オンライン授業づくりに役立つ基礎知識を学んだ。第1回では、鳴海先生から、工学部での実践事例を中心に、オンライン授業での多様な方法を紹介いただくとともに、実際のオンライン授業での学生の反応や学習評価のあり方などについて紹介のほか、実験の様子の紹介やアクティブラーニングへの活用案などの提案があった。第2回では、林から、「遠隔講義ポータル」の紹介のほか、共通教育における大人数クラスでのオンライン授業実践を通して、学習者のためのオンライン授業設計のポイントを紹介し、今後のブレンディッド学習の重要性を強調した。参加者からは、「遠隔講義ポータル」に関する要望も寄せられ、適宜、対応することとした。

 第3回・第4回は「【Part2】オンライン授業づくりに役立つ実践スキルと応用」として、修学支援システム、MoodleZoomなどを活用したオンライン授業実践を通して、実践スキルと応用を学んだ。第3回では、西井先生から、理学部での実践事例を中心に、オンライン授業での多様な方法を紹介いただくとともに、実際のオンライン授業での学生の反応や学習評価のあり方などについて、これまでの長年の授業実践を踏まえながら詳細の説明がああった。特に、後半の学生同士の相互評価・相互採点の効果については参加者から強い関心が寄せられた。第4回では、武本先生から、Zoomの各種機能紹介をはじめ、語学教育におけるオンライン授業実践内容や工夫している点などを紹介いただいた。学生の主体性を引き出すポイントやオンライン授業の場こそ「学びの道場」であるとの説明があり、語学担当教員を中心に多くの質問があった。

 以上のように、お昼の短い時間帯ではあったが、4回ともに中味の濃い内容となった。特に、今回のオンラインランチョンFDでは医学部教員の参加が多かった。参加者アンケートも概ね好評で、「オンラインで,昼食時間に有益な情報を配信するのは,大変良い取り組みと思います。キャンパスと無関係に参加できますし,チャットを利用できるのもメリットです。」「具体的な活用例を豊富に紹介いただいて、大変参考になりました。」遠隔講義を始めたばかりなので、とても参考になりました。全学的なZOOM使用方法など、学習会をしていただけると助かります。貴重な話題提供していただいた先生に感謝しています。」といった自由記述が目立ち、お昼休み時間での参加しやすさ、キャンパス間の壁を超えるオンライン実施などに満足する声が聞かれた。今後においても、オンライン授業をテーマとした内容、オンラインを活用したFDの実施などを企画していきたい。

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